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2012年6月

2012年6月23日 (土)

日傘

アプリカションapplicationの日傘。(Parasol)
201206241
途中、放り出すかもと思っていましたが、そんなこともなく、夏の到来に間に合いました。

持っていた日傘がひどく汚れていたので、布を張り替えました。
自分としては これでも上々の出来ですが、やっぱり職人さんのようにピンと張ることはできません。そのため、アイロンをかけても すぐシワシワです。
何かと気に掛かるところはあり、なにより、手を抜いて8面全面に刺しゅうしなかったことで後ろめたさが残ります。
が、せいぜい5年程しか使えないと思うので、これで目をつむることにしました。傘のカバーを作るかどうかも迷っているところ。

次は、良い材料を選んで、傘張りも職人さんにお願いできたらいいな、と思います。
そうすると、もっともっと上手に刺しゅうできるようでないと勿体ないし恥ずかしいですけれど。

図案は、2枚の異なるベルギーレースから引っ張っ
てきてデタラメに合体させたものなので、なんだか変わったものになってしまいました。もともとのレースは、それぞれ素敵な模様だったんですけど...。
ブドウのような蔓植物にしたかったのですが、適当な図案を持ち合わせていなかった結果、こういうことになりました。

めて作ったアプリカション/アップリケでした。
201206242_5ブドウの葉の一部分にアプリカションを施しています。
最初からそのつもりで作り出したのではなかったので、布が不向き(厚すぎ)で、その効果は殆どゼロでした。日に透かせば少しわかるかな、という程度。外から見ても、たぶん全く気付かないでしょう(下の写真は内側=裏側から)。201206243_6 201206244_4
でも、わりと楽しく作れて、アプリカションへの苦手意識は特にないみたい、ということはわかりましたので、この経験を次の機会につなげようと思っています。のせた布の切り取りは、やっぱり上手にできていませんが。

日よけのため、ほとんど穴を開けずに作りましたが、布の糸を切って
少し穴の開いた部分もあります。
傘が重くならないようにしたいと思っているのに、刺しゅうに加えて更に布を縫い足したりして、一体何をやっているんだろう、と思いながら作っていました。


   * * *

先日、デンマークのGreve美術館を訪れました。
前に行った時は、Hedebo作品は常設展示のみで数は多くなかったのですが、目下、2008年のHedeboの展示会の再展示をしているらしいと知って、また行ってみました。

展示内容が2008年と同じだったのかどうかはわかりませんが、いくつもの素晴らしい作品に出会うことができました。
Hedebo刺しゅうの中では新しい部類の“Udklips(カットワーク?)”の作品もありましたが、それ以前の“Udtraeks(ドロンワーク?)”の
作品もまた いくつも展示されていました。
ささっと見
るのに30分で足りましたので、膨大な数というわけではなかったのですが、古くて状態のよい上手な作品揃いで、見応えがあって、本当によかったです。
少し写真を撮って、本(2008年の時の本)を買って、でも残念ながら写真では伝えられない--少なくとも私には伝わらない--実物の力に圧倒されて、呆然として帰ってきました。
Skalsの学校で見ていた昔のHedeboは、粗い感じのものばかりだったように記憶しています(とても古いものだったのかもしれません)が、今回Greveで見たものは、糸も布も刺しゅうも厚みがあってしっかりしているけれど、それでも「なんて細かい....」というものばかりでした。「ちょっと幼稚で、ほほ笑ましい」といえるような作品ではなかったです。

このHedeboの展示会は、美術館の20周年記念で開催され、2008年のGreveを皮切りに、各地を巡回していたのではないかと思います。東京にも来ないかな、とちょっと期待していましたが、今となっては、地震が心配される間は来ないほうがいい、と思います。これほど見事な作品が新しく生まれない以上、もう1枚もHedeboという土地から失われてはならない物だと感じました。

Greveの美術館は入場無料で、そのことにもちょっと感動してしまいました。この美術館は、多くの人に望まれてここに生まれ、存在している大切な場所なのでしょう、きっと。
受付のおじさんにすぐに「日本人?」と聞かれました。この小さな、少々不便な場所にある美術館に、日本からも少なからぬ人が訪れるということは、誇らしいことなのかも。
美術館の中は、焼き菓子の甘い匂いがずっと漂っていました。

それにしても、自分ではHedeboを真似しているつもりでしたが、私の作っているものは一体何なんでしょう、と思わざるを得ませんでした。
布や糸といった使用素材が今と昔で違うのは致し方ないことですが、この印象の違いは、それだけなんでしょうか。
今作っているものが、同じように相当の年月を吸収した後には、GreveのHedeboに並べても違和感のないものになる、とはとても思えないのでした。
少しはHedebo刺しゅうという階段を上ってきたつもりで、そろそろ中ぐらいまで到達したかしら??と勝手に自己評価していましたが、実際には、単に違う方向に逸れて長々と歩いていたことに今さら気づかされた思いです。
Skalsで学んだ身としては「これはこれでいいのかな」と思いつつも、ちょっと複雑な心境です。


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